11月21日、油山病院で「第7回油山病院-地域医療連携の会」を開催しました。この日の参加者は福岡市内の行政機関・医療機関・介護支援事業所の医師・保健師・看護師・介護支援専門員などの専門職約70名と、当院の専門職約50名です。

前回の連携の会では、全国的に拡がりをみせる「多職種による見える事例検討会」の開発者である「つながるクリニック(横浜市)」院長の八森淳先生と同相談室室長の大友路子氏をお招きし、参加者の皆さんに簡単なグループワークを通して事例検討会を体験していただきました。

今回はあらかじめ参加者の中から異なる職種の約20名の方にお願いして実際の事例を活用した検討会に入っていただき、他の参加者はそれを見学するという運営の形をとりました。この日は福岡市で最も「見える事例検討会」に精通していらっしゃる医療法人すずらん会たろうクリニック院長の内田直樹先生と、同クリニック勤務で「見える事例検討会」のファシリテーター資格を有するお2人の看護師にご指導いただきました。この検討会の目的は、課題を抽出して必要な支援を明確にし地域のネットワークで解決に導くことです。まずは事例分析のための「見え検マップ」を活用して、支援が必要であろう方のプロフィール、ADL、(生活)IADL、医学的判断、経済、地域、環境などについて、互いに他の人の意見を尊重しながら、それぞれの意見を述べ合います。互いの専門性を尊重し合い、情報を整理することで支援の方向性を導き出すことができるようになります。今回は当院より認知症の方の事例を提供させていただきましたが、当院の情報提供者は「皆さんからこれまでと違った角度から良い助言を多くいただきました」と述べていました。

今後も当院は地域のネットワークづくりのお手伝いができるように努めてまいりたいと思います。

地域連携の会「見える事例検討会」の様子