2016年に発足した油山病院主催「地域医療連携の会」は、精神科病院と一般科の病院・診療所・介護事業所の医療および介護分野の連携強化を目的とし、毎年6月と11~12月の年2回実施しています。おかげさまで多くの医療・介護関係者の方々のご賛同を得て、今回5回目を迎えることができました。

今回は前回に続き、社会医療法人雪の聖母会 聖マリア病院の脳卒中リハビリテーション看護認定看護師・E-HCU/SCU HCU師長であり、同時にユマニチュード®インストラクター資格をお持ちの杉本智波氏を講師としてお招きして、11月16日に開催しました。

テーマは「認知症患者の世界を理解しよう~私たちのメッセージは届いているのか?~」、患者さんのためにと無意識に行なっている私たち医療・介護従事者のケアは、患者さんにその主旨が届いているのだろうかという問題提議がなされました。そして、治療者・看護者の本来のメッセージを適切に患者さんに届けるためにはどうしたら良いか、簡単な認知症患者擬似体験のロールプレイングを通して学んでいきました。

そして、「ユマニチュード」が知覚・感情・言語に基づいた包括的ケア技法として「快の感情」を伝える技術であること、「ケアするとは何か」「人とは何か」を常に問い続ける哲学であることを教えていただきました。同時に、患者さんが持つ力を信じることの大切さもユマニチュードの技術的なかかわりによる症状改善の事例を通してご指導いただきました。

後半の質疑応答では多くの質問が寄せられましたが、杉本氏はさまざまな質問に簡潔明瞭にお応えいただき、そのつど皆様の納得を得られたように思います。

今後も「連携の会」を通して、皆様によりよい情報をお届けし、連携の輪を拡げてまいりたいと思います。

第5回地域医療連携の会の様子1

第5回地域医療連携の会の様子2

第5回地域医療連携の会の様子2